団体信用生命保険の加入基準を緩和したワイド団信のメリットとデメリットを徹底解説!
住宅ローンを契約する場合、返済中に死亡や高度障害状態となった場合に備えて、団体信用生命保険に加入される方は多いかと思います。ただし、過去の病歴などによっては団体信用生命保険の加入が難しい場合もあります。その場合、加入基準を緩和したワイド団信に加入することで過去に大きな病気をされた方でも団体信用生命保険に加入できる可能性は高まります。
今回はワイド団信を利用する場合におけるメリットとデメリットをまとめました。
ワイド団信は加入基準を緩和した団体信用生命保険
住宅ローンを利用する場合、長期に渡って借りたお金を返す必要があります。もちろん、長期的に返済ができればよいですが、その間に病気や事故に合うリスクはゼロとは言えません。そのため、万が一、病気や事故などで死亡や高度障害状態となった場合に備えて、団体信用生命保険に加入する方は多いです。
団体信用生命保険では、ローン返済中に死亡や高度障害状態となった場合、保険金にて住宅ローンを完済を行います。そのため、金融機関にとっては住宅ローンが確実に回収できることに加え、ご家族の方にとっても購入した住宅に引き続き住み続けることができますので、これまでの生活を維持できます。
団体信用生命保険に加入する場合、健康状態の告知が必要になりますので、過去の病歴や持病の有無などによっては加入が難しい場合があります。今回のテーマであるワイド団信は、通常の団体信用生命保険に比べて加入基準を緩和した保険で、過去に大きな病気や持病がある場合でも加入できる可能性が高まります。
ワイド団信については、2019年9月2日の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
ワイド団信の3つのメリット
ワイド団信のメリットとして、「持病や大きな病気があっても加入できる可能性が高まる」ことと、「高い生命保険に加入する必要がない」こと、「通常の団体信用生命保険と保証内容は変わらない」ことの3つがあります。
1.持病や大きな病気があっても加入できる可能性が高まる
ワイド団信の最大のメリットとしては、持病をお持ちの方や過去に大きな病気をした方でも、入りやすいことです。
通常の団体信用生命保険に比べて加入基準を緩和していますので、過去の病歴の内容により、保険に加入することでリスクが低いと判断された場合は加入できることになります。
例えば、近年多い糖尿病の他、精神疾患であるうつ病、生まれつき喘息をお持ちの方などでも加入実績があります。そのため、過去に大きな病気をしたが、現在は回復傾向という方であれば加入できる可能性は高まります。
これまでの加入実績がある病気については、2019年9月5日の記事で紹介していますので合わせてご覧ください。
2.高い生命保険に加入する必要がない
ワイド団信に加入できれば、高い生命保険に加入する必要がなくなります。
団体信用生命保険に加入しない場合は、住宅金融支援機構のフラット35を利用することで、団体信用生命保険なしで契約することができますが、その場合においても団体信用生命保険の代わりの保険に加入しておくことが望ましいと言えます。
その場合における選択肢としては死亡保険がありますが、当然ながら団体信用生命保険に比べると保険料が高くなる傾向にありますので、団体信用生命保険を利用できれば保険料は抑えられる場合も多いです。
3.通常の団体信用生命保険と補償内容は変わらない
ワイド団信に加入した場合でも、補償内容については通常の団体信用生命保険と同一となっており、保障内容については差はありません。そのため、通常の団体信用生命保険に加入している同様の補償が受けられます。
ワイド団信の3つのデメリット
ワイド団信はメリットが一番強調されますが、デメリットもあります。主なデメリットとしては、「保険料が通常の団体信用生命保険に比べて高い」こと、「過去の病歴によってはワイド団信でも加入できない場合もある」、「取り扱っている金融機関が限定される」の3つがあります。
1.保険料が通常の団体信用生命保険に比べて高い
ワイド団信は、加入基準を緩和した団体信用生命保険になりますので、保険金が請求されるリスクについて、通常の団体信用生命保険に加入している方に比べると高くなります。そのため、当然ではありますが、保険料が通常の団体信用生命保険に比べてやや割高に設定されています。
団体信用生命保険の保険料はネット銀行などでは無料のところも見かけますが、ワイド団信に加入する場合は0.3%程度の金利が上乗せされている傾向があります。
2.過去の病歴によってはワイド団信でも加入できない場合もある
ワイド団信といえども、過去の病歴などによっては加入ができない場合もありますので、必ずしも持病や大きな病気があっても誰でも加入できる保険ではないことに注意が必要です。
ワイド団信の加入実績が公開されていますが、実績の有無で加入可否がきまるのではなく、実績があるる病気に該当しても必ずしも加入できるわけではありません。加入者の病気におけるリスク度合いによって判断されるものと考えられます。
明らかに病気が重度の場合やつい最近手術を行った場合などは、明らかに保険金が請求されるリスクは高いと判断できますので、加入できないことが考えられます。
3.取り扱っている金融機関が限定される
ワイド団信は取り扱っている金融機関が少ないことにも注意が必要です。そのため、あらかじめ取り扱っている金融機関を調べた上で金融機関に住宅ローンの相談に行くことをおすすめします。取り扱い金融機関については、2019年9月9日の記事で紹介していますので合わせてご覧ください。
また、住宅金融支援機構のフラット35においても、2019年9月時点においてARUHIスーパーフラット以外はワイド団信が利用できませんので注意が必要です。
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