賃貸併用住宅で維持管理を外部委託する方法を徹底解説
賃貸併用住宅は、ご自身や家族が住むだけではなく、人に部屋を貸すことで賃貸収入が得られるメリットがありますが、常に入居者に快適な生活環境を提供することが賃貸経営の仕事となります。
賃貸経営を本業として経営していく場合はご自身や家族で協力して建物の維持や管理を行うこともできますが、会社勤めなど他の本業を持っている場合、賃貸経営を併用して行うことは時間的にも難しい場合があります。
この様な状況となる場合、賃貸併用住宅の維持や管理を外部に委託する方法があります。今回は賃貸併用住宅を外部委託する方法について解説します。
不動産契約の仕組み
はじめに、入居者となるお客さんが部屋を借りたいと考えた場合、大家と賃借契約を仲介する業者として「不動産仲介会社」があります。不動産仲介会社は、街中になる不動産屋さんのことで、ここが窓口となってお客さんにマッチした部屋を紹介して、お客さんが気に入った部屋があれば、大家との賃借契約を仲介します。
お客さんが入居者となった後は、賃貸物件の維持や管理などを行う場合は街中にある不動産仲介会社ではなく、「不動産管理会社」もしくは「大家」が行うことになります。もちろん、不動産仲介会社が建物の維持と管理を兼業している場合もあります。
もし、ご自身の賃貸物件の管理をお願いしたいと考えた場合、「不動産管理会社」にお願いすることになります。
不動産管理会社が対応できること
賃貸併用住宅を建てた後、入居者に常に快適な生活環境を提供するためにも、ご自身だけではなく不動産管理会社に委託することで、プロとしてのサービスを提供することができます。
不動産管理会社の主な仕事としては以下となります。
1.入居者の募集依頼
2.入居者の審査
3.入居者のクレーム対応
4.賃貸物件に設置された設備のメンテナンスの手配
5.賃貸物件の清掃
6.賃貸物件に設置された設備の修理手配
7.賃貸料の支払状況の確認や督促
8.退去時の立ち会いチェック
賃貸物件を経営するとなると、単純に部屋を提供するだけというイメージがありますが、賃貸物件を建てた後に多くの仕事があることがわかります。もし、ご自身や家族だけでこれらの業務を行う時間が確保できない、ノウハウが不足している場合は、不動産管理会社に委託してお願いできます。
不動産管理会社に委託する場合の契約形態
ご自身の賃貸物件の入居者に対して、常に快適な生活環境を提供するためにも、不動産管理会社にお願いすることが最適な手段となりますが、不動産管理会社にお願いする場合は主に2通りの契約形態が存在します。
管理委託契約
管理委託とは、賃貸物件の管理に伴う業務のみを不動産管理会社に委託する契約形態です。賃借契約は入居者と大家さんとの間で締結を行いますので、入居者が支払う家賃はそのまま大家に入ってきます。ただし、毎月一定の管理費を不動産管理会社に支払う必要があります。
そのため、不動産管理会社と契約しておくことで、前章で記載した賃貸物件の設備のメンテナンス、清掃、修理、入居者の募集、審査、対応、立ち会いといった業務を全ておまかせすることができます。
ただし、不動産管理会社に管理委託する場合は、あくまでも賃貸物件の管理のみになりますので、入居者が居なくなった場合は空室リスクが発生し、家賃収入が入ってこなくなるデメリットがあります。そのため、入居者の募集が上手い不動産仲介会社にお願いすることに加え、きめ細かな管理ができる不動産管理会社へお願いすることが重要です。
万が一に備えて、2018年1月4日の記事で記載したとおり、財務体質にも日頃から気を配り、毎月キャッシュフローを確保することに加え、自己資本を最低30%以上維持しておくなど、万が一のときでも頑固な経営体質を維持できるよう努めておく必要があります。
サブリース契約
サブリースとは、不動産管理会社が一括で賃貸物件を借り上げて契約する形態です。そのため、一時的に空室が発生した場合でも契約条件に従って一定の家賃収入が入ってきます。
先程の管理委託と比べると、大家に入る手取りの家賃収入が減ってしまうデメリットがあります。不動産管理会社にもよりますが、家賃の80%程度が手取りとなります。ただし、状況に関わらず一定の安定収入が得られるメリットがあります。
サブリースは安定収入が得られるメリットがありますが、不動産管理会社の経営状況などによって、一方的に家賃が減らされてしまうという新たなリスクが存在します。相手は法人となりますので余程交渉がうまくない限り、どうしても個人の立場は弱くなってしまいます。
そのため、サブリースを契約する場合は不動産管理会社の経営状況や他の大家からの評判などをしっかりと調べた上で、信頼ができる不動産仲介会社と契約することが重要になります。
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