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火災保険の家財補償とは?対象範囲と対象外をやさしく解説

住宅は人生の中で一番高い買い物と言われるほど高額なものですが、ローンを返済している途中に火事などが発生して建物が焼失してしまうと、最悪の場合、住まいを失ったのにローンだけが残ってしまうリスクがあります。

このようなリスクに備えるため、多くの金融機関では住宅ローンを組む際に火災保険への加入が求められます。火災保険では建物への損害だけでなく、家具や家電といった「家財」に対する補償(家財補償)を付けることもできます。

今回は、火災保険に加入する場合、家財補償を付帯すべきかどうか、その対象範囲とあわせて考えてみます。

火災保険は火事や自然災害など幅広く補償可能

火災保険は、住宅が火事になったときにその損害を補償することに加え、自然災害で発生した損害についても補償が可能となっています。火災保険の詳細については火災保険を解説した記事を御覧ください。

火災保険で補償対象となる主な損害としては、台風などの風災、洪水などの水災、落雷、雹(ひょう)災、水漏れ、物体の飛来・衝突、破損・汚損、爆発、盗難被害などがあげられます(契約プランによって補償範囲は選択できます)。一方で、地震による損害は火災保険では補償の対象外で、地震に備えたい場合は、火災保険に付帯して地震保険をつける必要があります。地震保険についての詳細は地震保険を解説した記事を御覧ください。

火災保険は、損害状況や規模に応じて支払い金額が決まります。詳しくは保険金額の決まり方を解説した記事を御覧ください。

なお、2022年10月以降、火災保険の保険期間は最長5年となっています(それまでの最長10年契約は廃止)。自然災害の増加を背景に保険料も見直しが続いているため、これから加入する方は最新の保険料・プランを確認しましょう。

火災保険でも建物だけが対象となっている場合もあり

火災保険は火事のほか、各種自然災害、破損、盗難被害などにも対応していますが、今回のテーマである家財の損害については、契約内容によって「建物」だけが保険の対象となっている場合があります。つまり、火災保険に加入しているからと言って、家財が必ずしも補償対象となるわけではありません。

火災保険の契約では、保険の対象を「建物と家財」とするケースのほか、「建物のみ」「家財のみ」とするケースも存在します。家財のみの契約は、主に賃貸住宅の入居者向けの火災保険です。

まれに、自宅が火事になったものの、火災保険で家財が補償対象になっていなかったために大きな出費を迫られる事例も見受けられます。すでに火災保険に加入されている方は、この機会にご自身の契約で「建物」「家財」のどちらが保険の対象になっているか、保険証券で見直しておくことをおすすめします。

火災保険と家財補償の適用範囲

火災保険で家財補償が付帯されていれば、家財の損害についても補償対象となります。ただし、ものによっては「建物」として補償されるのか「家財」として補償されるのか、判断が微妙なものもありますので、一般的な補償範囲をまとめました。

「建物」として補償される対象物の例

建物を対象とする火災保険で補償されるのは、建物本体と、建物に付属して動かせないものです。

1.建物本体
2.物置、倉庫
3.車庫
4.浴槽
5.台所(調理台やガスコンロ、電気コンロなど)
6.畳
7.ドア、ふすま、障子
8.門や塀
9.建物に設置されたエアコンや乾燥機、換気扇、給湯器
10.テレビアンテナ

「家財」として補償される対象物の例

火災保険に付帯する家財補償の対象物は、主にご自身で建物内に持ち込んだ、動かせるものが対象です。

1.テレビや冷蔵庫、電子レンジなどの電化製品
2.洋服ダンスや食器棚、ベッド、ソファー、机などの家具
3.衣類
4.日用品
5.敷地内に保管している自転車や、総排気量125cc以下の原動機付自転車(保険会社・契約により扱いが異なります)

なお、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や美術品は、契約時に申告(明記)が必要だったり、支払額に限度が設けられていたりと、保険会社によって扱いが異なります。高価な品をお持ちの方は、契約時に必ず申し出て扱いを確認しておきましょう。

自動車や現金、知的財産、無形財産は対象外

自動車や総排気量125ccを超えるバイクは、火災保険(家財補償)の対象外となっています(これらの損害は自動車保険・バイク保険の車両保険で備えます)。前述のとおり、自転車や125cc以下の原動機付自転車は敷地内に保管しているものであれば家財に含まれる保険会社が多いですが、外出先での損害は補償されません

また、携帯電話・スマートフォンやノートパソコン、メガネ、コンタクトレンズといった身の回り品は、保険会社によって家財に含まれるかどうかの扱いが分かれます。家財に含まれる場合でも、自宅の外に持ち出している間に発生した事故や災害による損害は家財補償の対象外となるのが一般的です(外出先での損害に備えるには、携行品損害の特約などが別途必要です)。

現金については、盗難による被害は一定の限度額(20万円程度とする保険会社が多い)まで補償されますが、火事や自然災害で焼失した場合は補償の対象外となるのが一般的です。また、仕事で使う原稿や設計書、帳簿などの知的財産、データやプログラムなどの無形財産、動植物(ペットや観葉植物など)も補償の対象外です。

知的財産や無形財産については、近年多くがデータ化されていますので、バックアップが可能なクラウドサービスを利用するなど、火災保険以外の方法でリスク低減を行ったほうが良いといえます。

ただし、細かい補償内容や限度額は保険会社・契約によって異なりますので、必ずご契約の保険証券や約款でご確認ください。

家財補償のよくある質問(FAQ)とまとめ

最後に、家財補償を検討する際によくいただく疑問にお答えします。

Q. 家財補償の保険金額はどうやって決めればよいですか?

家財の保険金額は、実際にお持ちの家財を買い直した場合の金額(再調達価額)を目安に設定するのが基本です。保険会社ごとに世帯人数や年齢に応じた簡易評価の目安が用意されていることが多いので、それを参考にしつつ、ご自宅の家財の実態に合わせて過不足なく設定しましょう。大きすぎる保険金額を設定しても、実際の損害額を超えて保険金が支払われるわけではありません。

Q. 賃貸から持ち家になったら家財補償はどう変わりますか?

賃貸住宅では「家財のみ」の火災保険に加入しているのが一般的ですが、持ち家では「建物」の火災保険が必要になり、家財補償を付けるかどうかを選ぶことになります。住宅ローンを組む際は金融機関から火災保険への加入を求められますが、家財補償まで自動で付いているとは限らないため、契約時に保険の対象を必ず確認しましょう。

まとめ:家財補償は「わが家の持ち物」に合わせて検討を

家財補償を付帯すべきかどうかは、ご家庭の持ち物の量や価値によって変わります。家電や家具をひととおり買いそろえたご家庭では、火事や自然災害ですべて買い直すとなると数百万円かかることも珍しくありません。「建物だけの契約になっていないか」「家財の保険金額は実態に合っているか」の2点をチェックして、わが家に合った備えを整えておきましょう。

※補償内容・限度額・保険期間などは保険会社や契約時期によって異なります。最新の情報は各保険会社の公式サイト・保険証券でご確認ください。

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