住宅ローン保証料とは何か?その基礎知識を解説
住宅ローンを利用して住宅を購入する場合、金融機関によって事務手数料に加えて住宅ローン保証料を請求することがあります。これまでも住宅ローンを利用する場合の必要となる諸費用について解説をしてきましたが、今回は住宅ローン保証料について詳しく解説します。
住宅ローン保証料は返済不能時に備えて金融機関が保証を受けるもの
住宅ローン保証料とは、金融機関が住宅購入資金を融資した後に、何かしらの理由で返済が滞り、融資した資金である「債権」が回収できなくなった場合に備えて、その保証を受けるための費用です。
住宅ローンの融資を受けた債務者が支払った住宅ローン保証料は、金融機関が提携した保証会社に支払われ、融資の金額や期間に応じてその保証料が決まってきます。
万が一、債権が回収できなくなった場合、金融機関は提携している保証会社を通じて、残りの債務を回収することができます。そのため、あくまでも金融機関側が保証されるものとなります。
そのため、債務者が万が一返済できなくなった時に保証されるものではありません。債務者側の保証に近いものとしては、2017年4月7日の記事で紹介した団体信用生命保険がその役目を果たしていると言えます。
住宅ローン保証料を払っても返済は無くならない
住宅ローンを契約した際に住宅ローン保証料を支払った場合、債務者側がその保証料を支払うことになりますが、返済が不能になり保証会社が債務を建て替えたからと言って、ご自身の返済義務がなくなるわけではありませんので注意が必要です。
万が一、保証会社が金融機関に対して残債を保証した場合、今度は保証会社からご自身に残債が請求されることになります。その後は、金融機関に代わって、保証会社に対して返済を続けていくことになります。
また、保証会社に債権者が移った場合、これまで同様に住宅ローンの返済が行わるのではなく、住宅ローンの残債に加えて、遅延損害金として14%の額をあわせて支払う必要がありますので、返済が滞ったことで、逆に多くの出費に繋がってしまうことになります。
保証会社から残債の請求が来ても、返済に応じない場合は2017年11月25日の記事で記載したとおり、最終的に裁判所がが動き出し競売にかけられることになります。そのため、返済が厳しくなった場合は速やかに金融機関に相談するなど事前の対応が重要となります。
住宅ローン保証料は金額と期間に応じて数十万円必要
住宅ローンの保証料は、金融機関によってその金額は異なりますが、概ね数十万円の費用を用意しておく必要があります。また、後述していますが、ネット銀行や住宅金融支援機構のフラット35では保証会社を利用しないため、ローン保証料が必要ない場合があります。
例えば、三菱UFJ銀行であれば借入額が3,000万円で返済期間が35年の場合は約60万円、4000万円で期間が35年であれば80万円必要となります。
一方で、住信SBIネット銀行やじぶん銀行、イオン銀行などのネット銀行、住宅金融支援機構のフラット35では、住宅ローン保証料が無料となっています。しかしながら、2019年6月17日の記事で記載している通り、金融機関に支払う、事務手数料が高額になる場合があります。
住宅ローン保証料を請求する都市銀行などでは、ローン保証料を徴収する代わりに事務手数料は数万円と定額型なりますが、ネット銀行の場合は、事務手数料の金額を借入額に対して約2%となる定率型を採用しています。そのため、結果としてしはらう費用として、ローン保証料を支払う、支払わない係わらずあまり差が大きくならないケースも大半です。
保証料は一括支払いもしくは金利上乗せで支払う
住宅ローン保証料の支払い方法としては、住宅ローンを契約する際に、窓口で一括で支払う方法である「一括前払い型」と、毎月の返済額の金利に上乗せして支払う方法「金利上乗せ型」があります。
ローン保証料を安くするには、窓口で一括で支払う「一括前払い型」がトータルとして支払う金額は安くなります。
一括前払い型で支払った場合において、繰り上げ返済などして返済期間が短縮した場合、保証料の一部が返金されることもあります。ただし、返済時は返済手数料として1万円徴収される場合がありますので注意が必要です。
しかしながら、一括前払い型で保証料を支払ったからと言ってすべての金融機関で保証料が返金されるわけではないことに注意が必要です。将来的に繰り上げ返済を考えている場合は、金利上乗せ型を利用したほうが費用を抑えられる場合もありますので、事前に金融機関に問い合わせる、シミュレーションを活用するなどして納得行く金融機関を選ぶことが重要です。
- 2019.06.20
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