- 公開日: 2026.07.24
- 新築一戸建て・マンションの購入
住宅の建て替えの流れをやさしく解説|計画から完了までの手続き

今の住まいが古くなってきたとき、「建物ごと建て替える」か「間取りを生かしてリフォームする」か、大きく2つの選択肢があります。築年数がかなり経っている場合は、耐震性や修繕費のことを考えると、思いきって建て替える方が有力になることもあります。この記事では、これから建て替えを考える方に向けて、計画から完了までの手続きの流れを、順を追ってやさしく解説します。
住宅の建て替えは多くの業者とのやり取りが必要になる
住宅を建て替えるときは、解体作業から引っ越し、仮住まいの手配、新しい家の建設まで、たくさんの手続きが発生します。そのぶん、いろいろな業者とのやり取りも必要になるのが特徴です。
そのため、建て替えを計画するときは、あらかじめ「何を・いつ・誰と進めるか」を洗い出し、必要な手続きを整理したうえで、業者としっかり連携しながら進めることが大切です。
また、不動産の登記に関する手続きもあり、法務局など役所へ出向いて行うものもあります。平日に動く時間をある程度確保しておくことも、スムーズに進めるうえで重要になります。
住宅会社と新規建築に向けて相談をする

建て替えでまず最初に行いたいのは、住宅会社に、建て替えにともなう新しい家づくりについて相談することです。
住宅会社をいくつか候補に挙げ、希望に沿った提案をしてくれる会社を選ぶことが大切です。相談の際は、「既存の家を建て替えたい」という点をはっきり伝えましょう。
会社によっては、その後の手続きや解体業者の紹介など、建て替えに必要な段取りをサポートしてくれることもあり、それがあると全体をスムーズに進めやすくなります。
依頼する住宅会社が決まったら、建物の建設を発注し、実際の設計へと進んでいきます。
建物の解体業者を選定し発注する
新しい家づくりと並行して、今の家を解体する業者も選びます。複数社に見積もりを出してもらい、予算と計画に照らして、いちばん条件の合う業者を選びましょう。
解体費用については解体費用の記事でくわしく紹介していますが、一般的な木造住宅であれば数百万円程度が目安です。ただし、建物の立地や周辺環境(重機が入れるか、隣家との距離など)によって費用は変わってきます。
仮住まいへ引っ越しを行う

解体業者への発注が済んだら、建物を取り壊す前に、仮住まいを確保して引っ越しをする必要があります。近くの賃貸住宅を借りる場合は、新しい家づくりの相談と並行して、不動産会社で仮住まいの物件を探す作業も進めましょう。
住宅会社が不動産事業も手がけている場合は、建て替えの相談とあわせて、仮住まい用の賃貸物件を紹介してもらうのも一つの方法です。
建物解体後、建物滅失登記を行う
仮住まいへ引っ越したら、いよいよ建物の解体です。解体にはおおむね2週間程度かかります。
解体が完了したら、法務局で「建物滅失登記」を行う必要があります。建物滅失登記とは、解体などで建物がなくなったときに、登記記録上からその建物を削除するための手続きです。建て替えだけでなく、自然災害などで建物を失ったときにも同じ手続きが必要になります。
この手続きは、建物を取り壊した日から1か月以内に行う決まりです(怠ると過料の対象になることがあります)。
建物の建設工事に着手する

建物を解体して更地になったら、いよいよ新しい家の建設工事に着手します。着工前に測量や地盤調査が必要な場合は、その業者を選んで依頼します(地盤の状態によっては地盤改良の費用がかかることもあります)。
建物の建設にはおおむね6か月程度かかるのが目安です。
建物の完成、不動産登記手続きを行う

建物が完成すると、引き渡しになります。引き渡し後に問題がなければ、仮住まいから新居へ引っ越します。このときもあらためて引っ越し業者に見積もりを依頼して発注し、不動産会社へ仮住まいから退去する旨を連絡します。
完成後の登記手続きとしては、新しい建物について不動産登記が必要です。まず、建物が完成してから1か月以内に「建物表題登記」を行い、続けて所有権を明らかにする「所有権保存登記」などを行います。所有権保存登記や、住宅ローンを利用する場合の抵当権設定登記の際には登録免許税がかかります。また、これとは別に、後日不動産取得税(都道府県の税金)の納税通知書が届きます(一定の要件を満たす住宅は軽減措置の対象になります)。不動産登記については不動産登記の記事でくわしく解説していますので、あわせてご覧ください。
建て替えの流れと期間・費用の目安(資金計画と住宅ローン)
ここまでの流れを、期間の目安とあわせてざっと整理すると次のようになります。全体では、相談開始から新居への入居までおおよそ1年前後を見込んでおくと安心です(規模やプランによって前後します)。
| ステップ | 主な内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 相談・プラン・見積もり | 住宅会社選び・設計・資金計画 | 数か月 |
| 2. 仮住まいへ引っ越し | 賃貸探し・引っ越し | 数週間 |
| 3. 解体・滅失登記 | 建物の取り壊し・滅失登記(1か月以内) | 約2週間+登記 |
| 4. 建設工事 | 着工〜上棟〜完成 | 約6か月 |
| 5. 完成・登記・入居 | 引き渡し・表題/保存登記・引っ越し | 数週間 |
費用面では、新しい家の建築費に加えて、解体費用(木造で数百万円程度が目安)・仮住まいの家賃と2回分の引っ越し代・各種登記費用や税金など、建物本体以外のお金もまとまってかかります。資金計画は、これらの「付随する費用」まで含めて早めに立てておきましょう。
建て替えの資金は、住宅ローンでまかなうのが一般的です。ここで初めて住宅ローンを組む方がつまずきやすいのが、「住宅ローンは建物の完成時にまとめて実行されるのに、それより前に解体費用や着工金・中間金の支払いが発生する」という点です。この完成前の支払いを一時的に立て替えるための融資が「つなぎ融資」です。
つなぎ融資を扱っているかどうかは金融機関によって異なります。土地・建物・諸費用をまとめて一本の住宅ローンで対応できる銀行もあれば、つなぎ融資は扱わず別の手段が必要な銀行もあります。申し込み先を決める前に、建て替え(つなぎ融資や分割実行)に対応しているかを公式サイトで必ず確認しましょう。あわせて、金利・事務手数料などの諸費用・団信(団体信用生命保険)の保障内容・店舗相談とオンライン手続きのどちらに対応しているかといった観点で、複数の金融機関を比べておくと安心です。ネット系では、たとえばSBI新生銀行のように諸費用の考え方が分かりやすく、店舗とオンラインの両方に対応する銀行もあります(最新の金利・取扱条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。
よくある質問(FAQ)
Q. 建て替えとリフォームは、どちらを選べばよいですか?
一概には言えませんが、築年数が古く耐震性に不安がある、間取りを大きく変えたい、といった場合は建て替えが有力になりやすいです。一方、建物の基本性能に問題がなく、部分的な改修で十分な場合はリフォームのほうが費用を抑えられることもあります。費用・工期・住み心地の希望を整理し、住宅会社に両方の見積もりを相談してみるとよいでしょう。
Q. 建物滅失登記や建物表題登記は、自分でできますか?
手続き自体は自分で行うこともできますが、必要書類の準備や図面の作成など専門的な部分もあるため、土地家屋調査士や司法書士に依頼するのが一般的です。いずれも期限は解体・完成から1か月以内と決まっているので、早めに準備しましょう。
Q. 住宅ローンは、建て替えでも使えますか?
使えます。多くの金融機関が建て替え(新築)を住宅ローンの対象にしています。ただし、完成前の支払いに備えたつなぎ融資の有無や、分割で実行できるかは銀行によって異なります。事前審査の段階で「建て替えでの利用」を伝え、資金の流れに対応できるか確認しておくと安心です。
Q. 仮住まいはどれくらいの期間、必要になりますか?
解体から新居完成・入居までを考えると、おおむね半年〜1年程度を見込んでおくと安心です。工期が延びることもあるため、賃貸契約の期間には少し余裕をもたせておくとよいでしょう。
建て替えは工程が多く、業者とのやり取りや登記手続き、資金の準備など、初めてだと戸惑いやすいものです。しかし、全体の流れとお金の準備を早めにつかんでおけば、一つずつ着実に進められます。まずは信頼できる住宅会社への相談と、住宅ローンを含めた資金計画から始めてみましょう。

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