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住宅ローンの審査は誰がしている?銀行と保証会社の役割をやさしく解説

住宅ローンを借りて住宅を購入する場合、金融機関に申し込みをして審査を受ける、という流れになります。このとき、「審査をしているのは誰なのか?」を気にする方は少なくありません。

「銀行の担当者が見ているのだろう」と思われがちですが、実は多くの銀行では、銀行と保証会社の2者がそれぞれの立場で審査しています。しかも、保証会社を使わない住宅ローンも増えています。

今回は、住宅ローンの審査の仕組みを、初めての方にもわかるようにやさしく解説します。「どこを見られているのか」が分かると、対策も立てやすくなります。

住宅ローンの審査は「銀行」と「保証会社」の二段構え

住宅ローンを借りて住宅を購入する場合、住宅ローン審査の流れを解説した記事で紹介しているとおり、物件の申し込み後にまず事前審査(仮審査)を受け、そこで問題がなければ正式に申し込み、本審査へ進むのが一般的な流れです。

このとき、審査を行っているのは銀行だけではありません。保証会社を利用する住宅ローン(保証料型)の場合、審査は次のように役割分担されています。

審査する主体 主に見ているところ 役割
銀行(金融機関) 年収・勤務先・勤続年数・他の借入・返済負担率・取引状況など 融資するかどうかの最終判断を行う
保証会社 申込者の信用力(返済能力)と、担保となる物件の評価 保証を引き受けるかどうかを審査する(=保証審査)

つまり、「保証会社の保証が付かなければ銀行は貸さない」ため、実質的に保証会社の審査が通らなければ住宅ローンは借りられません。「銀行の審査に落ちた」と言われるケースの多くは、この保証審査で否決されているのです。ただし、審査を保証会社が丸ごと代行しているわけではなく、銀行も独自に審査していると理解しておきましょう。

なお、保証会社は銀行によって異なります。すべての銀行が同じ保証会社を使っているわけではありません。

保証会社のタイプ 特徴
銀行子会社(系列)系 三菱UFJ住宅ローン保証、みずほ信用保証、SMBC信用保証、りそな保証 など メガバンク・大手地銀はまず系列の保証会社を使うのが一般的
信用金庫系 しんきん保証基金 など 信用金庫が共同で設立した保証会社
独立系 全国保証 など 系列にとらわれず、銀行・信金・信組など多くの金融機関と提携。系列保証会社を持たない金融機関でも利用できる

※ここが誤解ポイント:「銀行で住宅ローンを申し込めば必ず全国保証が審査する」というのは正しくありません。全国保証は独立系の代表格ですが、あくまで数ある保証会社のひとつです。どこが保証会社になるかは、申し込む金融機関・商品によって違いますので、気になる場合は各金融機関の商品概要説明書で確認してみてください。

保証会社が審査を行う理由

保証会社が審査を行う理由は、返済が滞ったときに、銀行に代わって残高を立て替える(代位弁済する)のが保証会社だからです。自分が肩代わりする立場である以上、「本当に返済できる人か」「万一のときに担保として価値があるか」を自ら確かめる必要があるわけです。

金融機関と保証会社は保証基本契約を結んでおり、債務者が返済不能になれば、保証会社が銀行へ残高を一括で立て替えます。その後、保証会社は債務者に対して残額の返済を請求します。

とはいえ、返済不能に陥った方から現金で回収できる可能性は高くありません。そのため実務では、対象の住宅を売却(任意売却や競売)して現金化し、残高を精算するのが一般的です。

このように、最終的に回収の当事者となるのは保証会社です。だからこそ保証会社は、申込者の返済能力に加えて、担保となる不動産の価値もあわせて審査するのです。

保証料を払っても返済が無くなるわけではない

保証会社を利用する住宅ローンでは、契約者は保証料を支払い、保証会社と保証委託契約を結びます。保証料は、借入時に一括前払いする方法(外枠方式)と、金利に年0.2%程度上乗せして払う方法(内枠方式)が一般的です。

ここで、初心者の方がもっとも誤解しやすいポイントをお伝えします。

支払っている保証料は「保険」ではありません。万が一返済ができなくなっても、保証料でローン残高が帳消しになるわけではないのです。

保証会社が銀行に立て替えたあとは、返済先が銀行から保証会社に変わるだけで、返済義務そのものは残ります。しかも保証会社からは一括での返済を求められるのが一般的です。

「万一のときに残高がゼロになる」のは、保証料ではなく団体信用生命保険(団信)の役割です。保証料=銀行に対する保証を委託する対価、団信=死亡・高度障害などのときに残高を清算する保険——この2つは、まったく別のものだと覚えておきましょう。

保証料についての詳細は、保証料の仕組みを解説した記事でも詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。

保証会社を使わない住宅ローンも増えている

「住宅ローンには必ず保証会社が付く」というのも、いまや正確ではありません。近年は保証会社を利用せず、銀行が自ら審査して融資する住宅ローンが増えています。ネット銀行を中心に主流となっている「融資手数料型(事務手数料型)」がこれにあたります。

タイプ 費用のかたち 主な取扱い
保証料型 事務手数料は定額(3万〜5万円台)+保証料が別途必要 メガバンク・地方銀行・信用金庫に多い
融資手数料型 保証料0円。そのかわり事務手数料が借入金額×2.20%(税込)など定率 ネット銀行に多い(各行のネット専用商品にも拡大中)

たとえばSBI新生銀行は、審査結果に特に問題がなければ保証料は0円で、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型に一本化されています。一般団信の保険料の上乗せも0円、一部繰上返済手数料も0円と、費用の内訳がシンプルで総額を把握しやすいのが特徴です。窓口相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、「対面で確認しながら進めたい」という初めての方にも検討しやすい選択肢といえるでしょう。

なお、保証料0円だから審査が甘い、ということではありません。保証会社を使わない場合は、銀行自身がリスクを負うため、銀行が直接しっかり審査します(銀行が保証会社に委託しつつ、保証料は銀行が負担する形をとる商品もあります)。「保証料の有無」は費用の設計の違いであって、審査の厳しさとは別問題だと考えてください。

住宅金融支援機構のフラット35は保証会社を利用しない

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する【フラット35】は、保証会社を利用しません。そのため保証料は不要で、保証人も必要ありません。審査は、申し込みを受け付けた取扱金融機関と住宅金融支援機構が行います。

フラット35の審査を解説した記事でも触れていますが、フラット35の審査には民間ローンと違う特徴があります。

観点 フラット35の特徴
勤続年数・雇用形態 申込条件に勤続年数の定めがない(転職直後でも申込可能。ただし収入の確認は行われる)
返済負担率 年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下と基準が明確
年齢 申込時70歳未満、完済時80歳未満(親子リレー返済を利用する場合を除く)
物件 機構が定める技術基準に適合していることが必要(適合証明が必要)
団信 加入は任意。加入しない(できない)場合の金利は新機構団信付きの借入金利−0.2%

ここで注意したいのは、「フラット35は審査が甘い」と単純に考えないことです。人(勤続年数・雇用形態)の要件はありませんが、そのぶん返済負担率の基準は明確に決まっており、物件が技術基準を満たしていなければ利用できません。「人の条件が柔軟で、物件の条件は厳格」——性格が違う、と捉えるのが正確です。

とはいえ、勤続年数が短い方・転職直後の方・雇用形態に不安がある方にとって、フラット35が有力な選択肢になるのは確かです。民間ローンで審査に不安がある場合は、選択肢のひとつとして検討してみるとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q.事前審査に通れば、本審査も通りますか?

必ずしもそうとは限りません。事前審査は申告内容をもとにした簡易的な確認で、本審査では収入・物件・健康状態(団信)などを書類で正式に確認します。申告と実際の内容が違った、他の借入が判明した、団信に加入できなかった——といった理由で、本審査で否決されることもあります。

Q.審査に落ちた理由は教えてもらえますか?

原則として、金融機関は否決の理由を明らかにしません。ただし、落ちる理由の多くは「返済負担率が基準を超えている」「信用情報に延滞などの記録がある」「勤続年数が短い」「物件の担保評価が足りない」のいずれかです。心当たりを整理し、条件を変えて別の金融機関に申し込むのが現実的な対応になります。

Q.同じ銀行でダメでも、別の銀行なら通ることはありますか?

あります。審査基準は金融機関・保証会社ごとに違うからです。とはいえ、短期間に何件も申し込むと、その申込履歴が信用情報に残って不利に働くことがあります。やみくもに数を打たず、条件を整えてから絞り込んで申し込むことをおすすめします。

Q.申し込む前に、自分でできる準備はありますか?

まずは①他の借入(カードローン・自動車ローン・分割払いなど)を整理する ②信用情報を開示して延滞の記録がないか確かめる ③返済負担率を計算してみる——この3つです。審査は「誰が見ているか」より「何を見られているか」を知るほうが、ずっと役に立ちます。

審査基準・保証会社・手数料の内容は、金融機関ごとに異なり、随時見直されます。最新の情報は必ず各金融機関や住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

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