- 公開日: 2026.07.07
- 住宅ローン商品について
自然災害で被災した住宅ローンに備える|補償付きローンと減免制度を解説

住宅を購入するときの大きな心配事のひとつが、地震や台風・豪雨などの自然災害です。住宅が破損して臨時の修繕費がかかったり、最悪の場合は住まいを失って住宅ローンだけが残り、買い替えで「二重ローン」になってしまうおそれもあります。
こうしたリスクに対して、被災した場合に住宅ローンの返済を一部補償してくれる住宅ローン商品や、公的な減免制度が用意されています。今回は、2026年7月時点の情報で「自然災害への住宅ローンの備え」を整理します。
火災保険や地震保険だけではローンの補償ができない
住宅ローンのリスクとして、火災のほかに自然災害によって手元にローンだけが残ってしまうことが挙げられます。
住宅が火災にあった場合については、こちらの記事で解説しているとおり、基本的には火災保険への加入が必須となっており、万が一の際はこの火災保険で建物の損害をカバーすることになります。
また、地震については火災保険に付帯して地震保険に加入できますが、地震保険の保険金額は火災保険の30〜50%の範囲が原則のため、建物が全壊した場合、地震保険だけではローンの残債を補いきれないのが実情です。あくまでも「生活再建のための費用」という位置づけなのですね。地震保険の詳細はこちらの記事で詳しく記載していますので合わせてご覧ください。
このように、地震の揺れによる倒壊や津波、近年増えている豪雨・洪水などに対しては「住宅ローンの支払い」への備えが薄いことが指摘されてきました。そこで登場したのが、自然災害で被災した場合に返済中のローンを補償してくれる住宅ローン商品です。
自然災害補償付き住宅ローンとは?

自然災害補償付き住宅ローンとは、返済中に地震や津波、台風や豪雨などで住宅が全壊・半壊などの被害を受けた場合に、被害の程度に応じて一定期間(たとえば最大24回分)の返済が免除されたり、ローン残高の一部が免除されたりする特約付きの住宅ローンです。
コストの支払い方には、住宅ローン契約時にまとめて手数料を支払う「手数料支払型」と、借入金利に一定の上乗せをする「金利上乗せ型」がありますが、かつて手数料支払型の代表だった旧・新生銀行の「安心パックS」が取り扱いを終えた現在は、金利上乗せ型が中心となっています。
なお、こうした特約は住宅ローンの契約時にしか付けられないのが一般的です。後から追加できないケースが多いので、借入前の比較検討の段階で「災害への備えをどうするか」を考えておくことが大切です。
主な銀行の自然災害補償(2026年7月時点)

三井住友銀行「自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン」
三井住友銀行では、現在も「自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン」を取り扱っています。タイプは2つあり、被害の程度(全壊・大規模半壊・半壊など)に応じて毎月の返済が最大24回分免除される「約定返済保障型」と、地震・津波などで自宅が全壊した場合にローン残高の50%が免除される「残高保障型」から選べます。残高保障型の金利上乗せは年0.500%(上乗せ幅は保険料により変動する場合があります)で、二重ローン対策として特徴的な商品です。
三井住友信託銀行:自然災害による居住不能時の保障
三井住友信託銀行でも、地震・津波・噴火などの自然災害で住まいに住めなくなった場合に住宅ローンの返済を一部保障する特約を用意しており、大規模半壊時でもローン返済額を最長24カ月分保障するとしています。
イオン銀行「居住不能信用費用保険」
イオン銀行では、8疾病保障プラス付住宅ローン(8疾病団信プラス・金利上乗せ年0.300%)に、年0.050%の追加上乗せで「居住不能信用費用保険」を付帯できます。自然災害などで住まいに住めなくなった場合の補償をプラスできる仕組みです。
旧・新生銀行「安心パックS」は取扱終了
以前この分野の代表的な商品として紹介していた新生銀行(現・SBI新生銀行)の「パワースマート住宅ローン 安心パックS」(契約時に手数料を支払う手数料型・全壊時は最大24回免除)は、2024年10月31日の契約分をもって新規取り扱いを終了しています。これから借りる方は利用できませんのでご注意ください。
なお、SBI新生銀行では現在、金利上乗せ0円で付けられる全疾病保障付団信(2026年3月取扱開始)など病気・ケガへの備えが充実しており、保証料0円・一部繰上返済手数料0円という諸費用の分かりやすさも健在です。災害への備えは火災保険・地震保険や後述の公的制度と組み合わせて考えるとよいでしょう。
そのほかの銀行は?
かつては地方銀行にも同様の特約(最大24回免除タイプや金利上乗せ年0.1%タイプなど)が広がっていましたが、取扱の有無・条件は銀行や時期によって変わります。検討中の銀行に自然災害への補償があるかどうかは、必ず各金融機関の公式サイト・商品説明書で最新の情報をご確認ください。
公的な支援「被災ローン減免制度」も知っておこう
特約を付けていなくても、いざというとき知っておきたいのが「自然災害債務整理ガイドライン(通称:被災ローン減免制度)」です。
これは、災害救助法が適用された自然災害(2015年9月2日以降)の影響で住宅ローンなどの返済が困難になった個人・個人事業主が、破産などの法的手続きによらず、金融機関との話し合いでローンの減額や免除を受けられる制度です。次のような特徴があります。
・信用情報に事故情報として登録されない(いわゆるブラックリストに載らないため、その後再び住宅ローンを組むことも可能です)
・弁護士など「登録支援専門家」の手続支援を原則無料で受けられる
・一定の現金や財産を手元に残したまま債務整理ができる
利用するには、まず借入残高がもっとも多い金融機関に相談して手続きを始めます。詳しくは政府広報オンラインや、運営機関(自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関)の公式サイトをご確認ください。
まとめ
自然災害への住宅ローンの備えは、①火災保険・地震保険、②自然災害補償付き住宅ローン(三井住友銀行などで現行取扱あり・契約時のみ付帯可が一般的)、③公的な被災ローン減免制度、という3つの層で考えるのがおすすめです。
災害補償の特約はコスト(金利上乗せ等)とのバランスも大切ですので、ハザードマップでお住まいの地域のリスクを確認したうえで、必要な備えを選んでいきましょう。
※本記事の商品内容・条件は2026年7月時点の情報です。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。

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