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オープンハウス見学の前にチェックすべきこと|広告の見方と質問例

オープンハウスに行く前にしておきたいのは、広告で物件の要点と維持費・取引態様を確かめること、ハザードマップを見ておくこと、そして聞きたい質問と予算の上限を決めておくことです。

「部屋を見れば分かるはず」と思いがちですが、はじめての内覧では広さや内装に目を奪われ、肝心なことを聞き忘れて帰ってくる方が少なくありません。見学当日に慌てないための予習の手順を、順番に説明します。

広告で事前にチェックしておく5つの項目

見学の前に、チラシやポータルサイトの物件情報だけで確認できることは意外と多くあります。

  • 物件の要点…築年数や、過去の修繕履歴の記載があるか
  • 間取りと敷地の形状…自分たちの暮らし方に合う間取り・敷地か
  • 金額…価格のほか、自治会費・管理費・修繕積立金などの維持費用
  • 近隣施設…小中学校の学区、駅やバス、買物、病院、公共施設
  • 取引態様…「仲介」と「売主」のどちらの表記になっているか

広告に載っていない項目は、見学の予約をするときに電話やメールで聞いておけば当日の時間を有効に使えます。

とくに見落としやすいのが維持費用です。マンションなら管理費と修繕積立金が毎月かかり、戸建てでも自治会費や、将来の外壁・屋根の修繕費用を自分で積み立てる必要があります。

住宅ローンの返済額だけで「これなら払える」と判断すると、住み始めてから家計が苦しくなります。返済額と維持費用は、いつもセットで考えてください。

新築なら広告の省エネ性能ラベルも見ておく

「家の性能って、素人が広告で分かるの?」と思う方もいるはずです。新築の物件なら、手がかりになるのが省エネ性能ラベルです。

国土交通省の省エネ性能表示制度により、2024年4月以降に建築確認申請をした新築建築物を販売・賃貸する事業者は、広告などにこのラベルを表示するよう努めることになりました。表示は努力義務なので、載っていない広告もあります。

ラベルには、エネルギー消費性能や断熱性能の段階、目安の光熱費などが示されます。たとえば同じ価格帯の2棟で迷ったとき、ラベルの内容は毎月の光熱費を比べる材料になります。載っていなければ、見学のときに省エネ性能の資料があるかを聞いてみてください。

・国土交通省 建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度 https://www.mlit.go.jp/shoene-label/

ハザードマップで災害リスクを見ておく

広告の5項目に加えて、いまはハザードマップの確認も事前チェックに入れておきたいところです。

2020年(令和2年)8月28日からは、宅地建物取引業法施行規則の改正により、不動産取引の重要事項説明で水害ハザードマップにおける物件の所在地を説明することが義務になりました。契約の前には、必ず説明を受けられる情報です。

とはいえ、重要事項説明を受けるのは契約の直前です。気に入ってから知るより、見に行く前に自分で地図を見ておくほうが冷静に判断できます。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、洪水・土砂災害・高潮・津波のリスクを地図に重ねて表示できます。

・国土交通省 ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp/

見学当日は周辺を少し歩き、川や水路との高低差や、道路の側溝の様子も見ておくと、地図だけでは分からないことに気づけます。

取引態様が「仲介」か「売主」かで費用と保証が変わる

広告の取引態様の欄は小さな文字で書かれていますが、費用にも保証にも関わります。

記載が「仲介」なら、広告を出した不動産会社は、売主と買主を引き合わせる仲人の立場です。仲人役の会社には、法令で上限が決まった仲介手数料を別に支払います。

記載が「売主」なら、不動産会社そのものが売主です。仲人を挟まない直接の取引になるため、仲介手数料はかかりません。

保証の面でも違いがあります。宅地建物取引業法第40条は、不動産会社が自ら売主となる売買について、契約不適合責任に関する特約を制限しています。

契約不適合とは、引き渡された物件が契約の内容に合っていないことです。2020年3月までは「瑕疵担保責任」と呼ばれていました。同条では、責任を負う期間を「引渡しの日から2年以上」とする特約を除き、民法より買主に不利な特約はできず、反する特約は無効とされています。

つまり売主が不動産会社なら、少なくとも引渡しから2年は責任を負ってもらえます。個人が売主の中古物件では「契約不適合責任は免責」「引渡しから3か月」といった特約が付くことも珍しくないため、大きな違いになります。

仲介手数料の上限は法令で決まっている

「仲介」の物件で気になるのが仲介手数料です。不動産会社が自由に決められる費用ではなく、国土交通省の告示で上限が定められています。

物件価格(税抜) 仲介手数料の上限 備考
400万円を超える場合 売買価格×3%+6万円+消費税 いわゆる速算式(800万円以下は下の特例が使われる場合がある)
800万円以下(低廉な空家等) 30万円+消費税(33万円)まで 2024年7月1日施行の特例

以前は「400万円以下の物件で、売主から最大18万円+消費税」という特例でした。2024年(令和6年)7月1日からは、対象が800万円以下に広がり、上限も30万円+消費税に上がり、買主からも受け取れるようになっています(令和6年6月21日改正の報酬額告示)。

この特例を使う場合、不動産会社は媒介契約を結ぶ前に報酬額を説明し、依頼者と合意しておく必要があります。価格の安い物件でも手数料が安いとは限らないので、手数料がいくらになるかは最初に聞いておくことをおすすめします。あくまで上限なので、金額は書面で確認してください。

見学当日に確認することと質問の例

見学の当日に、自分の目で確認したいのは次の4つです。

  • 日当たりと風の通り具合
  • カビが目立っていないか(湿気がこもりやすくないか)
  • 敷地内や近所に気になる点がないか(売却理由との関係)
  • 修繕の内容…どこを、いつ、どの程度直したか。水廻りは必ず聞く

3つ目について補足します。敷地や近隣に何か問題があり、それが売却の理由になっていることがあります。売主は気にならなくても、買主には気になるということもあります。

物件を紹介する不動産会社には、重要事項の説明が義務付けられています。宅地建物取引業法第47条では、重要な事項について故意に事実を告げない、または事実でないことを告げる行為が禁止されています。

さらに、引き渡された物件が契約の内容に合っていなければ、買主は民法にもとづいて修補や代金の減額、損害賠償、契約の解除などを求めることができます。

では、何を聞けばよいのでしょうか。見学で聞いておきたいことを表にしました。

聞くこと 質問の例 なぜ聞くのか
売却理由 どういった事情でご売却されるのですか 周辺環境や建物の問題が背景にあることがある
修繕履歴 水廻りはいつ、どこを直しましたか 給排水管は交換費用が大きい
近隣の状況 近隣とのトラブルや申し送り事項はありますか 住み始めてからでは変えられない
告知事項 告知事項として説明が必要なことはありますか 事件・事故など心理的な要素も対象になり得る
維持費用 管理費・修繕積立金の値上げ予定はありますか 毎月の家計に直結する

告知事項のうち、過去に物件で人が亡くなった事案については、国土交通省が2021年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を定めています。

このガイドラインでは、自然死や日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)は、原則として告げなくてもよいとされています。ただし、買主から聞かれた場合や、社会的な影響が大きい事案などは告げる必要があるとされています。

聞かれなければ説明されないこともあるので、気になることは遠慮なく質問してください。質問と回答は、日付と一緒にメモに残しておくと後で役に立ちます。

・国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00029.html

内覧当日に部屋のどこを見るかは、オープンハウス見学のポイントと内覧で見落とさないチェック法で詳しく取り上げています。見学の回数や時間帯の考え方は物件見学のチェックポイント(回数・時間帯・設備の見方)も参考にしてください。

見学の前に予算と住宅ローンの目安を決めておく

意外と抜けやすいのが、いくらまでなら無理なく買えるのかを先に決めておくことです。予算の上限がないまま見学を重ねると、気に入った物件に出会ったときに冷静に判断しにくくなります。

順番は次のとおりです。

  1. 毎月無理なく払える額を決める
  2. その額から借入額の目安を出す
  3. 物件価格の上限を決める
  4. 見学に行く

たとえば毎月の返済にあてられるのが9万円で、管理費と修繕積立金が月2万円かかるマンションなら、住宅ローンの返済に回せるのは7万円です。維持費を引いてから借入額を考えると、無理のない上限が見えてきます。

人気の物件は申込みの順番が影響することもあるので、住宅ローンの事前審査(仮審査)を早めに済ませておくと、いざというときに動けます。借入額の決め方は金利上昇期の借入額の決め方でも詳しく説明しています。

住宅ローンは金融機関によって金利も諸費用も団信(団体信用生命保険)の内容も異なります。見学と並行して、金利だけでなく事務手数料や保証料、団信の保障まで含めて何社か比べておくと、購入を決めてから慌てずにすみます。

よくある質問

Q. オープンハウスは予約なしで行っても大丈夫ですか?

A. 予約なしで見学できる形式が多いです。ただ当日は他の見学者と重なることもあるので、じっくり質問したいなら事前に連絡して時間を決めておくと落ち着いて見られます。

Q. 見学の時間帯は、いつがいいですか?

A. 日当たりを見るなら日中です。可能なら時間帯や曜日を変えて2回見るのが理想で、平日の夜は街灯や騒音、休日は近隣の生活音や駐車状況が分かります。

Q. 「仲介」と「売主」では、どちらが得ですか?

A. 仲介手数料がかからない分、売主物件のほうが初期費用は抑えられます。ただ物件価格そのものが違うので、手数料だけでなく総額と、契約不適合責任の扱いも含めて比べてください。

Q. 気に入ったら、その場で申し込んだほうがいいですか?

A. 人気物件では順番が影響することもありますが、購入申込みは大きな決断です。資金計画と重要事項の確認が済んでいないうちに急かされたら、いったん持ち帰るのが賢明です。

Q. 内覧に持って行くと便利なものは?

A. メジャー、方位磁石かスマホのコンパスアプリ、間取り図のコピー、スリッパ、メモとカメラです。写真を撮るときは、先に担当者の許可をもらってください。

見学は、その物件を好きになるための時間というより、住んだあとの暮らしを具体的に思い描くための時間です。広告のチェック、ハザードマップ、質問の準備、予算の上限の4つを済ませておけば、当日は落ち着いて物件と向き合えます。

金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を見ておいてください。

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