HOME > すべての記事 > 住宅ローン商品について > 金利上昇で頭金と繰上返済の常識は変わった?今の考え方

金利上昇で頭金と繰上返済の常識は変わった?今の考え方

金利が上がったいま、頭金は用意できる範囲で入れ、余裕資金があれば繰上返済も早めに検討する、という考え方に戻っています。住宅ローンの金利が、住宅ローン控除の控除率0.7%を大きく上回るようになったからです。

2015年ごろは、フラット35Sの金利引き下げで金利が年1%を下回り、手元の貯金は残して多めに借りたほうが得と言われました。2026年10月はその前提がまったく違います。

2015年ごろは借りたほうが得と言われた理由

2015年2月、住宅金融支援機構はフラット35Sの金利の引き下げ幅を、年0.3%から年0.6%に広げました。省エネ住宅ポイントやすまい給付金(いずれも当時の制度で、現在は終了)と合わせて使えたこともあり、大きな話題になりました。

当時の住宅ローン控除は、年末のローン残高の1%を10年間、税金から差し引く仕組みでした。借入金利が1%を下回れば、払う利息より戻る税金のほうが多くなります。これがいわゆる逆ザヤです。

だからこそ、貯金を頭金にするより手元に残して多めに借りる、繰上返済は急がない、というのが当時の合理的な考え方でした。

2026年10月は金利が控除率を大きく上回り逆ザヤは解消

2026年10月の【フラット35】(融資率9割以下・返済期間21〜35年・団信込み)で最も多い金利は年3.830%です。住宅ローン控除の控除率は0.7%なので、金利が控除率を3%以上も上回っています。

変動金利も、主要銀行の新規向けは2026年10月時点で年1%を超える水準が中心です。日本銀行は2026年9月の会合で政策金利を1.25%程度に引き上げ、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は11月2日から短期プライムレート(変動金利の基準になる金利)を2.625%に上げると発表しています。

項目 2015年2月ごろ 2026年10月時点
フラット35の金利水準 フラット35Sの引き下げ適用で年1%未満 年3.830%(融資率9割以下・21〜35年の最多金利)
住宅ローン控除 残高の1%・10年間 残高の0.7%・新築は原則13年間(借入限度額あり)
金利と控除の関係 金利が控除率より低い逆ザヤ 金利が控除率を大きく上回る
当時と今の考え方 多めに借りて手元資金を温存 借入額を抑える工夫が再び必要

借りれば借りるほど得という特殊な時代は終わり、借入額と利息の負担に正面から向き合う時代に戻りました。金利動向の見方は住宅ローン金利の今後の記事で紹介しています。

頭金1割でフラット35の金利が下がり総返済額も減る

金利が上がったいま、頭金には2つのはっきりしたメリットがあります。1つめは、借入額が減って利息の総額が大きく減ることです。

たとえば年3.830%・35年・元利均等返済で計算すると、100万円多く借りるだけで総返済額はおよそ182万円増えます。低金利の時代なら気にならなかった100万円の差が、いまは利息だけで80万円を超える差になります。

2つめは、フラット35は融資率(物件価格に対する借入額の割合)が9割以下だと金利が低くなることです。2026年10月は、9割以下の最多金利が年3.830%、9割超が年3.940%です。

3,500万円の物件で、頭金なしで3,500万円借りる場合と、頭金350万円を入れて3,150万円借りる場合を比べてみます。どちらも35年・元利均等返済・金利は全期間変わらない前提です。

項目 頭金なし(100%ローン) 頭金1割(350万円)
借入額 3,500万円 3,150万円
適用金利(2026年10月の最多金利) 年3.940%(融資率9割超) 年3.830%(融資率9割以下)
毎月の返済額 約15.4万円 約13.6万円
総返済額 約6,456万円 約5,724万円

総返済額の差は約732万円で、頭金350万円を差し引いても約380万円の利息が減ります。100%ローンはいまも利用できますが、金利が高くなる分を承知したうえで選ぶ必要があります。

とはいえ、頭金のために手元資金を使い切るのは禁物です。引っ越し・家具家電・諸費用に加え、病気や失業に備える生活防衛資金(生活費の半年〜1年分が目安)は残したうえで、頭金の額を決めてください。

諸費用の目安は住宅ローンを組む前のポイント、借入額の決め方は金利上昇期の借入額の決め方の記事で解説しています。

繰上返済は控除期間中でも利息を減らす効果が大きい

控除をフルに受けるため繰上返済は急がない、というのも低金利時代の常識でした。金利が控除率を上回ったいまは、控除期間中でも繰上返済のほうが得になりやすくなっています。

ざっくりした計算で見てみます。年3.830%で借りている残高を100万円減らすと、1年あたりの利息はおよそ3.8万円減ります。

控除のほうは、100万円の0.7%なので最大でも年7,000円の減少です。利息の減り方は控除の5倍ほどです。

控除の借入限度額を超えて借りている部分は、もともと控除の計算に入らないので、繰上返済の効果がそのまま出ます。どの部分を返すと得かは、ご自身の金利と残高で計算すると分かります。

これも、手元資金に余裕がある範囲でという前提は変わりません。教育費や車の買い替えなど数年内の大きな出費を優先し、余裕資金で少しずつ返していくのが無理のない進め方です。

手数料や返せる最低額は金融機関ごとに違うので、借りる前に比べておきましょう。

金利の先行きは誰にも正確には読めません。急いで身の丈を超える額を借りるより、物件価格・家賃・家族の予定を合わせて考えることが、金利が上がる時代のいちばんの備えになります。

賃貸と持ち家の比べ方は家賃と住宅ローンの違いの記事で紹介しています。

金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に住宅金融支援機構や各金融機関のページで最新の内容を確かめてください。

2026年10月のフラット35の金利はフラット35の金利情報で公表されています。

借入れ・借換えした後もお得♪

SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行とSBI新生銀行の住宅ローンを取り扱う銀行代理業者です。
ネット銀行の住宅ローンを、店頭やオンラインで専門スタッフに相談しながら申し込めます。

SBIマネープラザの住宅ローン相談はここが安心!

  • ネット銀行2行の住宅ローンをまとめて比較・相談できる
  • 審査や金利タイプの不安も専門スタッフが対面でサポート
  • 借り換えやペアローンもシミュレーションで具体的に提案

詳細&相談予約はこちら

住宅ローン商品について関連記事