- 公開日: 2026.09.13
- 住宅ローンQ&A
ネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?理由と通すための対策

ネット銀行の住宅ローン審査が厳しいといわれる3つの理由
ネット銀行の住宅ローンは、大手銀行や地方銀行と比べて審査基準が厳しいといわれることがあります。その主な理由は次の3点です。どれも「意地悪だから」ではなく、ビジネスの仕組みから来ている理由なので、先に押さえておくと対策も立てやすくなります。理由①保証会社なしで銀行自身がリスクを負う
一般的な住宅ローンでは、万が一の返済不能に備えて保証会社に保証を委託します。しかしネット銀行の多くは、保証会社を経由せず銀行自身が保証を行うケース(銀行保証型)が多い傾向にあります(ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)など)。 保証会社がいない分、貸し倒れリスクを銀行が全額負担するため、審査基準を自行で厳しく設定せざるを得ないという背景があります。一方でこの仕組みにより、借り手側は保証料が不要になるという大きなメリットがあります。逆に、対面型の銀行や信用金庫は保証会社の保証を使うぶん保証料がかかる代わりに、保証会社の基準に沿って個別の事情を汲んでもらえる余地が生まれます。「保証料ゼロ」と「審査の融通」はトレードオフと考えておくとイメージしやすいでしょう。理由②書類・データだけで審査するため融通が利きにくい
ネット銀行は実店舗を持たず、すべての審査を書類・データ(スコアリング)で行います。対面で「事情を説明する」ことができないため、審査基準に数値的に引っかかると覆しにくいのが特徴です。 たとえば転職直後・非正規雇用・自営業者・過去の信用情報に傷がある場合などは、書類審査の段階でそのまま弾かれてしまうことがあります。地方銀行や信用金庫では対面で説明する余地があるのと対照的です。 初めて住宅ローンを申し込む方がつまずきやすいのが、「事前審査(仮審査)に通ったから大丈夫」と思い込んでしまうことです。事前審査は申告した内容をもとにした簡易な判定で、本審査では収入証明・登記事項証明書・物件資料などをそろえて改めて審査されます。事前審査と本審査で申告内容にずれがあると、そこでつまずくことがあります。申告する年収や他の借入額は、源泉徴収票や返済予定表を見ながら正確に入力しておきましょう。理由③変動金利の金利上昇リスク
ネット銀行の住宅ローンは変動金利が主力商品です。かつては変動金利が年0.400〜0.500%前後と非常に低い水準でしたが、日銀が2024年以降に段階的な利上げを進めたことで、変動金利は上昇傾向にあります。政策金利にあたる無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標は、2026年6月16日の金融政策決定会合で年0.75%程度から年1.0%程度へ引き上げられ、7月31日の会合ではこの水準が維持されました。 当社編集部では毎月、各金融機関の公式金利ページを実際に開いて表示金利を集計しています。2026年9月1日に確認した127件(銀行×商品×借入区分×金利タイプ×期間×融資率の組み合わせ)のうち、前月から引き上げられたものが106件、据え置きが21件、引き下げは0件でした(当社調べ)。金利の方向が上向きであることは、実測の数字にもはっきり表れています。
| 比較の観点 | ネット銀行 | 大手銀行 |
|---|---|---|
| 新規借入・変動金利の水準 (2026年9月1日 当社実測) | 年0.990%〜年1.750% (行・条件により差が大きい) | 年0.950%〜年1.525% (行・コースにより差が大きい) |
| 保証料 | 不要(銀行保証型が多い) | 有料の場合が多い(融資手数料型を選べる行もある) |
| 手続き | 原則すべてオンライン | 窓口対応あり |
| 審査の柔軟性 | 低め(スコアリング中心) | 担当者・保証会社の判断の余地あり |
「5年ルール・125%ルール」がない銀行もある
変動金利型には、金利が上がっても5年間は毎月の返済額を据え置く「5年ルール」と、見直し時の新返済額を前回の125%以内に抑える「125%ルール」という仕組みを持つ商品があります。返済額が急に跳ね上がらないので家計は守られますが、据え置かれている間は利息の割合が増えて元金が減りにくくなり、最終回の返済に負担がしわ寄せされることがあります。 ここで見落としやすいのが、このルールは「あって当たり前」ではないという点です。たとえばソニー銀行は公式サイトで「いわゆる『5年ルール』や『125%ルール』に基づく返済額の計算を行っていません」と明記し、約定返済額の上限もないと説明しています。同行の変動金利は5月1日・11月1日を基準日に年2回見直され、7月・1月の返済日の翌日から新しい金利が適用、8月・2月の返済日から新しい返済額になります(ソニー銀行「お借入後の変動金利の見直しルール」)。 つまり同じ「変動金利」でも、金利が上がったときの家計への出方が商品ごとに違うということです。ルールがある商品は「今の返済額は守られるが、先に負担が回る」、ない商品は「すぐ返済額が増えるが、先送りしない」という性格の違いにすぎず、どちらが有利と決まっているわけではありません。申し込む前に、商品概要説明書や金利変動リスクの説明書で、自分が選ぶ商品の見直しルールを必ず確認しておきましょう。すでに借りている方なら、契約書と返済予定表で「次の見直しはいつか」「返済額はいつから変わるか」を見ておくと安心です。ネット銀行の住宅ローン審査に通るための対策
ネット銀行の審査に通るために、事前にできる対策をまとめました。いずれも申し込みの直前ではなく、数か月前から手を打てるかどうかで差が出ます。- 信用情報の確認:クレジットカードや消費者金融の延滞・滞納履歴がないか、CICやJICCで事前に確認しましょう。スマートフォンの分割払いも割賦販売の履歴として残るため、うっかり延滞していないかを含めて見ておくと安心です。
- 勤続年数の確認:転職直後は審査が厳しくなりやすいです。可能であれば1〜2年以上の勤続実績を作ってから申し込みましょう。
- 他のローン・クレジット残高を減らす:カードローンや自動車ローンが多いと、返済負担率の計算で不利になります。使っていないカードローンの枠は、解約しておくと計算上も整理できます。
- 頭金を増やす:借入比率(LTV)を下げることで、審査が通りやすくなるケースがあります。物件価格に対する借入の割合で金利優遇の有無が変わる商品もあるため、金利面でも効いてきます。
- 複数行に申し込む:ひとつのネット銀行でダメでも、別のネット銀行や対面型銀行で通ることがあります。ただし短期間に何行も申し込むと信用情報に照会履歴が残るため、2〜3行に絞るのが現実的です。
フラット35という選択肢
ネット銀行の審査に通らない場合の選択肢として、フラット35(住宅金融支援機構と提携した全期間固定型住宅ローン)があります。フラット35は雇用形態(派遣・自営業なども対応)や勤続年数の条件が比較的緩やかで、年収・物件の担保価値が審査の中心となります。 2026年9月の適用金利(機構が公表する最頻金利・新機構団信込み)は、借入期間21〜35年・融資率9割以下で年3.460%、借入期間20年以下・融資率9割以下で年3.140%でした(当社が2026年9月1日に確認)。融資率が9割を超えると金利は上がり、取扱金融機関によって事務手数料が異なる点にも注意してください。 変動金利型の住宅ローンに不安がある方にとっても、全期間固定金利で毎月の返済額が変わらないフラット35は検討の価値があります。金利の高さそのものは変動型に劣りますが、「返済額が動かない」という性質は、金利が上がる局面では保険として働きます。詳しい条件はフラット35公式サイトで確認できます。 諸費用の分かりやすさで選びたいなら、保証料・一部繰上返済手数料が無料で一般団信の上乗せも0円のSBI新生銀行の住宅ローンのように、ネット銀行と店舗相談の両方に対応している銀行も検討に値する選択肢の一つです。金利だけでなく金利+事務手数料+保証料+団信の内容を合わせた総額で比べるのが、遠回りに見えて確実な方法です。よくある質問
Q. 転職後すぐでもネット銀行の住宅ローンに申し込めますか?
A. 申し込み自体はできますが、転職直後は審査で不利になる可能性が高いです。一般的には転職後1〜3年以上の勤続実績があると通りやすくなります。転職直後に申し込むなら、雇用形態や勤続年数の条件が比較的緩やかなフラット35や、事情を説明できる対面型の銀行のほうが現実的です。
Q. ネット銀行と大手銀行、どちらが審査に通りやすいですか?
A. 一概には言えませんが、個別の事情を汲んでほしいなら対面型の銀行や信用金庫のほうが説明の余地があります。ネット銀行は基本的にスコアリング中心で、条件を満たせば手続きのスムーズさや保証料ゼロというメリットが得られます。
Q. ネット銀行の変動金利は今後さらに上がりますか?
A. 日銀の金融政策次第で、上がるとも下がるとも断定できません。次回の金融政策決定会合は2026年9月17日・18日で、結果は18日に公表される予定です。借入期間が長い場合は、将来の金利上昇を織り込んだうえで固定金利型とも比べて判断しましょう。
Q. ネット銀行の住宅ローンは今でも大手銀行より金利が低いのですか?
A. 2026年9月1日の当社実測では、新規借入・変動金利の水準はネット銀行が年0.990%〜1.750%、大手銀行が年0.950%〜1.525%で、ネット銀行が必ず低いとは言えない状態でした。適用条件も行ごとに違うため、自己資金や借入比率などの条件を揃えて比べてください。
Q. 変動金利の「5年ルール」はどの銀行にもありますか?
A. ありません。ソニー銀行は公式サイトで5年ルール・125%ルールに基づく返済額の計算を行っていないと明記しています。申し込む前に商品概要説明書や金利変動リスクの説明書で、自分が選ぶ商品の見直しルールを確認しましょう。
Q. 保証料が不要なネット銀行は他にもありますか?
A. ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)のほか、SBI新生銀行でも保証料・一部繰上返済手数料が無料で、一般団信の保険料もかかりません。がん診断保障付団信や全疾病保障付団信といった手厚い団信プランも用意されています。最新の金利・手数料・団信の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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