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住宅購入の周辺環境チェック項目|下見とハザードマップの見方

住宅購入で外せない条件はなんですか?間取り?日当たり?設備?

いろいろあると思いますが、見落としやすいのが周辺環境です。周辺環境は、朝・昼・晩に現地を歩く下見と、ハザードマップや都市計画図などの公的な資料の2本立てで調べると、契約前に大きな見落としを防げます。間取りや設備はあとからリフォームできても、周りの環境は自分では変えられません。マンションでも戸建てでも、ここは契約前にじっくり見ておきたいところです。

朝・昼・晩の3回は物件を見に行こう

近所の騒音や、通勤ラッシュの時間に家の前が車の抜け道になっていることなど、住んでみないと分からないことはたくさんあります。

一度の下見では、その場所の本当の姿は見えてきません。1日のうち朝・昼・晩の3回、できれば平日と週末の両方で見に行くことをおすすめします。

時間を変えて歩くと、騒音や通勤の人の流れ、夜道の暗さや危なさまで分かってきます。

もうひとつ見ておきたいのが雨の日の様子です。晴れた日には気づかなくても、雨が降ると道路に水がたまる場所や、坂の下で水が集まる場所が見えてきます。傘をさして駅まで歩けば、通勤・通学の感覚もつかめます。

時間帯を変えて見るときは、次のような点をメモしておくと比べやすくなります。

  • 朝……通勤・通学の人や車の量、ゴミ出しの様子、日当たり
  • 昼……周囲の生活音、近くの施設の稼働状況、風通し
  • 夜……街灯の明るさ、人通り、飲食店や道路からの音、駐車場の出入り

商業施設が充実しているかは重要


駅から家までの間に、スーパーやコンビニ、病院・薬局、銀行や郵便局など、ふだん使う施設があるかも見ておきたい項目です。

いくら静かで住みやすくても、日用品をそろえられる場所が近くになければ毎日の暮らしは大変です。休日に街を歩いて、買い物の動線を試してみるのもよい方法です。

うっかりしがちなのが、駅までの行き帰りの手段です。バスがあると思っていたら便数がとても少なかった、自転車で通うつもりが駐輪場に空きがなかった、という話は珍しくありません。駐輪場は、あるかどうかだけでなく空き状況まで聞いておきましょう。

不動産広告の「徒歩◯分」も、自分の足で歩いてみてください。この表示は道路距離80メートルを1分として計算する決まりで、信号待ちや坂道、踏切の待ち時間は入っていません。実際に歩くと表示より時間がかかることがあるので、ベビーカーや荷物がある日を想像しながら歩くと実感がわきます。

人間関係もさり気なくチェック!

周りを見て回るときは、そこで暮らす人たちの雰囲気にも目を向けてみてください。

たとえばお子さんがいるご家庭なら、公園に同年代の子が遊びに来ているか、保護者の方々の雰囲気はどうか、といった点です。一緒に遊んで仲良くなれそうなら、引っ越し後の生活も想像しやすくなります。

お店に立ち寄ったときに、店員さんに地域の様子を聞いてみるのも手です。どんな人が多く、どんな雰囲気の街なのかを知るだけでも、印象はずいぶん変わります。

家を買ってから人間関係で後悔しても、簡単には引っ越せません。我慢が続けば、せっかくのマイホームがつらい場所になってしまいます。後悔しないためにも、契約前の下見は手を抜かないようにしたいところです。

災害リスクは「ハザードマップ」で確かめる

街の雰囲気とあわせて必ず見ておきたいのが、災害のリスクです。ここは感覚に頼らず、公的な地図で調べられます。

国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水・内水氾濫・高潮・津波による浸水の想定や、土砂災害のおそれがある場所を地図に重ねて見られます。住所を入れれば、検討中の土地がどんな区域にあるかがすぐ分かります。市区町村のハザードマップは、役所の窓口やホームページで手に入ります。

見るときに気をつけたいのは、川があふれる洪水(外水)のマップと、下水や水路から水があふれる内水のマップが別物である点です。川から離れた土地でも、内水による浸水が想定されていることがあります。両方のマップを見てください。

不動産取引のルールにも、この情報は組み込まれています。2020年(令和2年)8月28日から、不動産取引の重要事項説明(契約前に宅地建物取引士が物件について説明する手続き)で、水防法にもとづく水害ハザードマップを示し、物件のおおよその位置を説明することが義務になりました。対象は洪水・雨水出水(内水)・高潮のマップです。

ハザードマップで色が付いていない場所でも、水害のリスクがないとは言えません。国土交通省も、浸水想定区域に入っていないことで「リスクがない」と受け取られないよう配慮することを求めています。マップは想定にもとづく地図なので、想定を超える雨が降れば区域の外でも浸水は起こりえます。

土地の成り立ちに関わるルールもあります。2023年(令和5年)5月26日に盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)が施行され、都道府県などが盛土の規制区域を順次指定しています。規制区域に入っているかどうかも、重要事項説明で説明される項目のひとつです。

このほか、現地では次のような点も見ておきたいところです。

  • 周りより土地が低くなっていないか(雨の日に歩くと分かりやすい)
  • 近くの川や水路との高低差、擁壁や崖の状態
  • 指定避難所までの道のりと距離(ハザードマップに載っています)
  • その土地が昔どんな場所だったか(古い地図や地名が手がかりになります)

住宅ローンを借りるときに入る火災保険では、契約によって水災(洪水や内水氾濫による浸水)の補償が付いていないことがあります。土地を決める段階でリスクを知っておくと、補償を選ぶときに迷いません。補償の選び方は住宅購入時の火災保険の選び方で説明しています。支払いの対象になるかどうかは、保険会社や代理店に聞いてください。

10年後の街並みを想像してみる

今の環境がよくても、周りは少しずつ変わっていきます。隣の空き地に何が建つ可能性があるかを知っておくと、入居後のギャップを減らせます。

手がかりになるのが用途地域です。用途地域とは、都市計画で決められた土地の使い方のルールのことです。地域ごとに、建てられる建物の種類や高さ、建ぺい率・容積率が決まっています。

多くの自治体は都市計画図をホームページで公開しており、窓口でも調べられます。今は低い建物が並ぶ静かな街でも、ルール上はもっと大きな建物が建てられることがあります。日当たりや眺めを重視する方は、とくに見ておいてください。用途地域ごとの違いは避けたい立地条件と用途地域の見方でも取り上げています。

あわせて、次のような情報も役所や自治体のサイトで調べられます。

  • 都市計画道路や再開発の計画(将来、道路や大きな建物ができる予定はないか)
  • 学区と通学路(お子さんがいる、これから考えている場合)
  • ゴミ出しのルール・収集日(自治体や地区でかなり違います)
  • 上下水道の整備状況(土地によっては引き込み工事の費用がかかります)

周辺環境チェックリスト

見に行くときに持っていきたいチェック項目を、表にしました。

チェックの観点 確かめたいこと どこで調べられるか
時間帯による変化 騒音・人通り・夜道の明るさ・交通量 朝・昼・晩、平日と週末に現地を歩く
生活の利便性 スーパー・コンビニ・病院・薬局・金融機関の距離 現地の街歩き、地図アプリ
交通アクセス 駅までの実際の所要時間、バスの便数、駐輪場の空き 自分の足で歩く、交通事業者・駐輪場の案内
災害リスク 洪水・内水の浸水想定、土砂災害の危険箇所、避難所の位置 ハザードマップポータルサイト、市区町村のハザードマップ
土地の成り立ち 盛土の規制区域、擁壁や崖の状態、昔の土地利用 都道府県・市区町村の公表資料、古い地図、重要事項説明
将来の街並み 用途地域、建てられる建物の高さ、再開発・道路計画 自治体の都市計画図・都市計画課の窓口
暮らしのルール 学区、ゴミ出し、自治会、上下水道の整備状況 市区町村のホームページ・窓口
ご近所の雰囲気 住民の年齢層、公園の様子、地域の活気 現地での観察、近くのお店での会話

よくある質問

Q. 遠方に住んでいて、何度も現地に行けません。どうすればよいですか?

A. 1回しか行けないなら、いちばん気になる時間帯(多くの方は朝か夜の通勤時間)に合わせて行くのがおすすめです。ハザードマップや都市計画図、地図アプリ、バスの時刻表などは事前にオンラインで調べておけます。不動産会社に「平日の夕方はどんな様子ですか」と具体的に聞くのも有効です。

Q. ハザードマップで色が付いている土地は避けたほうがよいですか?

A. 色が付いているから買ってはいけない、という意味ではありません。想定される浸水の深さや避難所の場所を知ったうえで、建物の造りや火災保険の水災補償など、備え方を選べるようにするのがマップを見る目的です。

Q. 周辺環境のチェックは、いつまでにやるべきですか?

A. 売買契約を結ぶ前です。契約後は簡単に取りやめられません。気になる点は、重要事項説明の場で遠慮なく質問してください。

Q. 中古住宅でも同じチェックでよいですか?

A. 周辺環境の見方は同じです。中古の場合は加えて、隣地との境界(境界標があるか)や、これまでの近隣トラブルの有無を、売主や仲介会社に聞いておくと後々もめずに済みます。

まとめ

周辺環境のチェックは、時間も手間もかかります。それでも、間取りや設備と違ってあとから変えられない部分です。

見ておきたいのは、①朝・昼・晩と平日・週末に自分の足で歩く、②ふだん使う施設と交通手段を試す、③洪水と内水の両方のハザードマップで災害リスクを知る、④用途地域や盛土の規制区域から土地と街の将来を考える、⑤ご近所の雰囲気を感じ取る、の5つです。災害リスクの調べ方はハザードマップで災害リスクを無料で調べる方法で手順を追って説明しています。

物件選びと並行して、無理のない資金計画も立てておくと、気に入った物件が見つかったときに慌てずに済みます。住まい探しは、環境とお金の両方から進めていきましょう。

ハザードマップや都市計画は見直されることがあるので、契約の前に市区町村の最新の地図で見ておいてください。

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