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住宅売却の諸費用はいくら?仲介手数料・印紙税・登記費用の目安

「家を売ったお金は、そのまま手元に残るの?」と気になる方へ。住宅を売るときにも諸費用がかかり、いちばん大きいのは不動産会社に払う仲介手数料です。

これに売買契約書の印紙税、ローンの担保を外す登記費用、引っ越し代などが加わります。3,000万円で売れた場合、仲介手数料の上限だけで税込105万6,000円です。売却代金から諸費用を引いた額が、実際に手元に残るお金になります。

不動産会社に支払う仲介手数料は「売買価格×3%+6万円」が上限

不動産会社に売却を依頼するイメージ

住宅を売るときは、不動産会社に買い手探しを頼むのが一般的です。広告を出し、内覧に立ち会い、契約の手続きまで進めてくれます。

その対価が仲介手数料です。買うときに払うものという印象が強いかもしれません。とはいえ売買を代わりに進めてもらう代行料のようなものなので、売る側も同じように支払います。

金額には、宅地建物取引業法にもとづく告示で上限が決まっています。売買価格が400万円を超える場合、上限は売買価格の3%に6万円を足し、消費税を加えた額です。売るときも買うときも同じ計算です。

2024年7月1日からは、800万円以下の物件に特例ができました。現地調査などの費用を考慮して、上限30万円の1.1倍(33万円)まで受け取れる仕組みです。媒介契約の前に、金額の説明と合意が必要とされています(国土交通省 不動産取引に関するお知らせ)。

実際の手数料は、上限の範囲内で媒介契約を結ぶときに決まります。計算の仕方は住宅売却の仲介手数料の計算方法、値引きの考え方は仲介手数料の上限と「無料」の仕組みで詳しく紹介しています。

売買契約書に貼る印紙税は軽減措置で1万円が多い

買い手が決まると、売買契約を結びます。この契約書には、契約金額に応じた印紙税がかかります。

印紙税は、収入印紙を契約書に貼って消印を押すことで納める税金です。不動産の売買契約書には軽減措置があり、2014年4月1日から2027年3月31日までに作成した契約書が対象です。主な金額を表にしました。

契約金額 本則の税額 印紙税額(軽減措置適用時)
100万円超〜500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超〜1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超〜1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超〜5億円以下 100,000円 60,000円

出典は国税庁 No.7108 不動産の譲渡に関する契約書に係る印紙税の軽減措置(2026年10月時点)です。

契約書は売主用と買主用の2通を作り、それぞれ自分の分を負担するのが一般的です。売主が2通分を払う必要はありません。

電子契約で結ぶ場合は紙の契約書を作らないため、印紙税はかかりません。不動産会社と結ぶ媒介契約書にも、印紙は不要です。

売主が負担する登記費用は主に抵当権抹消の分

登記手続きのイメージ

「登記って自分でやるの?」と不安な方もいるかもしれません。売るときに関係する登記は2つあります。

1つは、家の名義を買い手に移す所有権移転登記です。もう1つは、抵当権(ローンの担保として金融機関が家に付けている権利)を消す抵当権抹消登記です。

所有権移転登記の費用は、買主が負担するのが一般的です。売主が主に払うのは抵当権抹消のほうです。誰が何を払うかは契約で決まるので、契約前に不動産会社へ聞いておくと精算のときに慌てずに済みます。

抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1件につき1,000円です。土地と建物で2件なら2,000円になります。司法書士に頼む場合は報酬もかかり、依頼先によって差はありますが2万〜3万円程度が目安です。

参考までに、買主が払う土地の所有権移転登記の登録免許税は、本則が1,000分の20です。土地の売買は1,000分の15に軽くなる措置があり、令和8年度の税制改正で2029年(令和11年)3月31日まで延長されました。

計算のもとになる金額は、固定資産課税台帳の価格(固定資産税評価額)です。売買価格とは別の金額なので注意が必要です(国税庁 No.7191 登録免許税の税額表)。

その他受け渡しや引っ越し時に必要な諸費用

引き渡しのときにも、細かな費用が出てきます。ハウスクリーニング代や、建物の状態を調べるインスペクション(建物状況調査)の費用などです。

土地の境界がはっきりしない場合は、測量費がかかることもあります。売り出す前に、境界の資料が手元にあるか見ておくと手戻りを防げます。

ローンが残っている家を売るなら、売却代金で一括返済するのが基本です。一括返済には金融機関所定の手数料がかかる場合があり、金額は借入先によって違います。手続きの流れは住宅ローンが残っている家を売るときの手続きで紹介しています。

住んでいた家を売るなら、引っ越し代も見込んでおく必要があります。業者は不動産会社に紹介してもらう方法も、自分で見積もりを比べて選ぶ方法もあります。

売却で利益が出たときの税金は所有期間で税率が変わる

「売って利益が出たら、税金でかなり持っていかれる?」という心配もよく聞きます。売却益(譲渡所得)が出ると、所得税と住民税がかかります。

譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を引いた額です。取得費は購入代金などから建物の減価分を引いた額で、譲渡費用には仲介手数料や売主が払った印紙税も含まれます。

税率は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで決まります。

区分 所有期間(売った年の1月1日時点) 税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)
長期譲渡所得 5年超 20.315%
短期譲渡所得 5年以下 39.63%

マイホームを売った場合は、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります。この特例を使うには、税金がゼロになる場合でも確定申告が必要です(国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例)。

適用の条件や計算例は、住宅売却でかかる税金と3,000万円控除の解説が参考になります。

3,000万円で売った場合の諸費用は約109万〜110万円

では、実際にどのくらいかかるのでしょうか。土地と建物を3,000万円で売り、残っている住宅ローンを売却代金で完済する仮のケースで計算してみます。

費用 金額の目安 計算・備考
仲介手数料(上限) 1,056,000円(税込) (3,000万円×3%+6万円)×1.1
印紙税 10,000円 軽減措置適用・売主用1通分
抵当権抹消の登録免許税 2,000円 土地1件・建物1件
司法書士報酬 2万〜3万円程度 依頼先によって異なる
合計 約109万〜110万円 別途、引っ越し代・一括返済の手数料など

仲介手数料は上限で計算しているので、実際はこれより少なくなることもあります。とはいえ、売却額の3.6%ほどが諸費用に回る計算です。

ローン残高が売却代金を上回るオーバーローンの場合は、差額を自己資金などで埋める必要があります。心配な方はオーバーローンでも家を売る方法も読んでみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 売却の諸費用は、売却価格のどのくらいを見込めばいいですか?

A. 仲介手数料が上限の場合、3,000万円の売却で約109万〜110万円、売却額の3.6%ほどです。引っ越し代や一括返済の手数料も加わるので、不動産会社に見積もりを出してもらうと手元に残る額がつかめます。

Q. 諸費用はどのタイミングで支払うのですか?

A. 印紙税は売買契約のときにかかります。仲介手数料は契約時に半分、引き渡し時に残りを払う形が多く、抵当権抹消の費用は引き渡しの決済のときに支払うのが一般的です。

Q. 住宅ローンが残っていても売却できますか?

A. 売却代金でローンを完済し、抵当権を消せれば売却できます。引き渡しの日に、買主から受け取る代金で返済と抹消登記を同時に済ませるのが一般的な流れです。

Q. 売って損が出た場合も確定申告は必要ですか?

A. 損が出ただけなら、売却について申告しなくても問題ありません。マイホームの買い換えなどで、損失を給与などの所得と差し引きできる特例を使う場合は、確定申告が必要です。

売却では、いくらで売れるかに目が向きがちです。諸費用と税金を差し引いて手元にいくら残るかまで見通しておくと、住み替えの資金計画が立てやすくなります。税率や軽減措置の期限は、2026年10月時点の内容です。

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